うみのこ通信

日々の断片

母の髪を洗う

先日母が骨折した。肩を。

右手を白い三角巾で包まれた様子はドラマとかでよく見るアレそのもので、現実感が未だにない。

1週間経ってもあまり変化がないので病院に行ったら、全然変わってないという。全治4週間といわれたのに、1/4の進捗が0なわけだ。放っておくと3ヶ月はかかるらしく、彼女は手術を決意した。

退院して、今日、母が髪を洗ってほしいという。ボルトを仕込んだ右肩を今は濡らすことができないらしい。

洗面台に頭を突っ込む形で、頭にお湯をかける。月一で髪を染めているけれど、生え際に白が目立った。母は髪が多いけれど、長い髪を全部前におろすと、薄くて、数日前に見た祖母のように、うすくて、小さいように感じた。

髪全体にお湯をかけるのも、シャンプーするのも難しい。おでこのあたりに手を持ってくると目に指が当たらないかハラハラしたし、耳の横はお湯で湿らすのが難しかった。

洗いながら、寂しいような、切ないような気持ちになった。